東郷町近辺の進学事情

東郷町に来て1年経ちますが、どうも事情が特殊なようで。

偏差値50以下の生徒の選択肢となる高校が足りないと感じる。

以前いた地域では、勉強が苦手でも、公立の工業高校や商業高校を目指すことを勧めることが出来た。

愛知県は自動車工業が盛んなので、工業高校や商業高校を経て、自動車関連の大企業に工場勤めできれば、高卒でもいい収入を得られる。

これは愛知県民の特権と言ってもいいくらいです。

 

トヨタ自動車の工場勤めなら、大卒一流企業並みの収入と言われる。

体力に自信がないから工場勤めは避けたいと考える人もいるかもしれないが、工場勤めは必ずしも体力仕事だけではない。

品質管理課などにも高卒の方はいて、体力のない人を無理に体力仕事に就かせることはない。

※ 品質管理課の主な職務は納入された部品の検査や、出来上がった製品の検査。
検査計画や品質基準を大卒の人間が決める。検査の実働部隊は高卒中心。・・・だったはず。

 

ただし、大企業は高卒でも真面目で信用できる人を採用する。

学内でも人気になるので高校でトップクラスにいないと推薦は獲得できない。

 

高卒から大企業に入社したいなら、高校で真面目に授業を受けて、提出物をしっかり出すことが最低ラインだ。

トヨタ自動車は高望み過ぎるとしても、無理にFランと言われる大学に行って就職がないよりは、高卒で大企業の工場勤めの方が将来は安泰だろう。

 

 

本題に戻ろう。

東郷町の問題は『通いやすい地域に公立の商業高校・工業高校が見当たらない』ことだ。

代わりに、偏差値40以下の普通科高校がいくつかある。

 

三好高校なんかは、進学実績も就職実績も思ったよりよさそう。

しかし、普通科より偏差値で多少劣っている工業高校の方が、まだ就職実績は良いと思う。

 

普通科に行った方が大学に進学できる可能性は高い。

どうしても大学に進学したいのであれば、普通科に行くべきだろう。

 

高校へ行っても勉強せず、大学進学も就職も出来なければ専門学校に通うしか手が無くなる。

それが悪いとは言わないが、そうなれば大企業への就職の選択肢はぐっと下がる。。
(専門学校から大企業に就職したケースも散見するが、大学とダブルスクールしているなど、実質的に大卒だったりするので例外と考えた方が良い。)

まぁ、大企業への就職が全てとは思わないが。

 

夢を実現するために専門学校に入学するのであれば本望だろうが、消去法で専門学校に通うことになった場合、多分、後悔することになる。

 

なぜなら、特別興味のない職業しか選択肢に残ってないから。

そして、特別興味のない仕事に就くために専門学校に通って、人生で一番長時間の勉強をさせられることになる。

 

職種にもよるが、専門学校を卒業しただけでは就職なんて出来ないことが多いので、資格を取らないといけない。

努力の証明書として資格を出来る限りたくさん獲得せねばならない。

努力出来ない奴なんて、どの世界に行ってもお呼びでないのだ。

 

看護師など就職率の高いものを選択すればよいのだが、一般的には就職率が高いものほど勉強は大変なこと多い。

 

インターネットで検索をすると専門学校の方が大学より就職率が高いと言っていることがまれにあるが、嘘だと思った方が良い。
注:看護師専門学校のように、実際に大学より就職率が高い専門学校はある。

そこで表記されている『高等専門学校』とはいわゆる『高専』のことだ。

例えば愛知県だと『豊田高専』しかない。

エリート集団だ。

就職率はいいに決まっている。

 

なので、勉強が嫌いな生徒にとって最も安全な道は、工業高校・商業高校を選択することだと考えている。

まぁ、この道もサボれば意味はないけどね。

 

なので悩ましい。

中学で平均点に足りないなら、無理して大学を目指すより、工業高校・商業高校で出来る限り上位を維持して、良い条件で就職した方が恵まれた人生を送れる可能性が高い。

以前いた地域では、偏差値50に満たなければ工業高校・商業高校を勧めていた。

大半のご家庭にはそれで納得してもらえることが多かった。

 

偏差値50を超えていても、勉強が嫌いな場合、男の子なら愛知総合工科、女の子なら愛知商業、名古屋商業に進学する手があった。

 

それより偏差値が低くても、他にも選択肢があって、生徒のレベルにあった工業高校、商業高校を見繕うことが出来た。

 

でも、ない。

東郷町周辺には適当な工業高校、商業高校がない。

工業高校だと中部第一(機械電気システム科)があるのみだ。

それが理由なのだろう、東郷町付近の生徒は安易に三好高校、衣台高校を選択する。

 

選択肢がないから当然かもしれない。

普通科しかないなら、レベルのあう高校の普通科に通うしか手がない。

 

しかしそれでは、生徒が自分の人生について考える機会を奪ってしまっている。

 

大学に進学するつもりなら、中3は勉強と学校生活だけ頑張ればいい。

 

高卒で就職するなら、中3は人生の選択の時

 

将来、自分が何になりたいかよく考えてから進路を決めよう。