時々、塾に通うメリットとして塾専用教材の存在を挙げる人がいます。
理由がよく分からなかったのですが、ようやく納得のいく説明がありました。
私は個人的にはテキストは塾専用教材の方が優れているとは思っていません。
例えば『文理』という出版社さんは塾専用教材も一般向け教材も販売しています。
塾専用教材の方が優秀という考え方はおかしい。
で、なんで塾専用教材の方が優れているというか?
実は塾専用教材は『教科書準拠』なのである。
そのため、英語の塾専用教材では教科書で出題されない英単語は問題文に出てこない。
各単元の新出単語や熟語にフォーカスした問題が出題されるため、定期テスト対策に強いという理屈です。
一方、一般向けテキストはほとんどが教科書非準拠です。
※ただし、『教科書ガイド』などの『教科書~~』という名称のテキストは教科書準拠
教科書には出題されない英単語や熟語が記載されている。
英語以外の教科では教科書とは違う言葉を使っていることもある。
定期テストだけを考えると、無駄が多い。
テスト対策だけを考えると塾専用教材の方が優れていることになります。
しかし、下記のような理由から、教科書準拠のテキストだけでは不十分です。
① 生徒が新出単語・熟語しか勉強しないため、受験時には単語力不足に陥る。
単語・熟語は非準拠教材による復習も重要。
② 受験問題は教科書のどこから出題されるか分からない上、多分野の複合問題が多い。
教科書準拠テキストは多分野にまたがる複合問題が少ない。受験用テキストは多様な問題に触れられるよう全国の受験問題から構成されていることが多いため、教科書準拠教材にはない強みがあります。
③ 塾専用教材でも上位層向けのテキストは教科書非準拠。
より高度な内容を学ぶにあたって、教科書という縛りは邪魔になるということでしょう。
結論として、
塾専用教材は定期テスト対策に向いているものがある。
英語の定期テスト対策には教科書準拠教材が必須ですが、他の教科は非準拠でもいいかなと思います。
※ 社会は教科書が最強。
定期テストも入試問題も教科書からしか出題されません。
受験対策の場合、塾専用教材は選択肢の一つに過ぎない。
ただ、保護者さんや生徒さんが本屋で問題集を見ても、使える教材か否か全くわからないと思います。
塾だと生徒にレベルの合ったテキストを用意してくれるのと、その使い方を教えてくれます。
実際、私も大学受験の際には様々なテキストを購入しましたが、自分に合わないテキストは早めに見切りをつけて他のテキストを探しました。
問題の難易度が自分に合わない場合もありますが、自分の勉強の廻し方に合っていないというのも理由だったと思います。
私の場合、高校受験の際は問題集は塾に全ておまかせで、大学受験の際は友人や教師のアドバイスに従って購入したケースも多いです。
『どのテキストを使うか』より、『いかにそのテキストを使いこなすか』の方が重要と言っている塾の先生もいます。
大抵のテキストにはターゲットとする生徒やポリシーがあるので、そこから大きく外れた使い方をしても効果が薄いです。
なので、塾専用教材の『強み』はそのテキストの特徴を塾長がよく知っていることにあります。
通常、塾の講師は塾専用教材には詳しいですが一般向け教材については詳しくないことが多いので、実際に塾で使用するのも塾専用教材になることが多いです。
自分のレベルの適しているか否か、テキストの使い方を分かっているかどうか。
それが重要。