【高校入試】私立が良いか?公立が良いか?(3)補足1

愛知県で私立高校希望とする生徒数が昨年比で10%弱増加しました。

私立を第一希望とする場合、大学入試まである程度の道筋を立てておく必要があります。

愛知県では公立高校が主流を占めていました。

その主な理由として、

① 公立高校の方が数が圧倒的に多く(75%)、レベルも上から下までまんべんなく揃っている。
(国立:3校、公立:159校、私立50校)

② 私立高校は授業料が高い

③ 愛知県特有の入試制度(複合選抜制)により、公立高校を不合格になって私立に進学する可能性が他県よりも低い

の3点が考えられます。

 

経済的に余裕があれば私立高校は非常に魅力的です。

実際、東京では私立高校の方が数が多く、私立高校に進学する生徒数比率も55%を占めています。

しかし、愛知県では私立高校進学など大して検討もすることなく公立高校に進学させてきたご家庭がほとんどなのではないでしょうか。

 

東京は愛知県より平均年入が80万円程度多いので、東京の方が私立高校へ進学する傾向が強いのも多少納得できます。

 

最近、状況が少し変わりました。

2020年度4月より、私立高校に入学した場合でも、収入が年720万以下(標準4人世帯の場合)であれば入学金と授業料がほぼ満額、支援金として返ってきます。

 

で、条件が合うなら私立高校に進学した方がよいと言える状況が整いました。

 

2020年12月23日付の調査結果だと、愛知県における私立高校進学希望者は23.9%で昨年度より2.5%増加しています。

全体の2.5%の増加なので微増に見えますが、数で言うと昨年比1割弱の増加(14,905人⇒16,104人)になります。

 

過年度にはなかった傾向として、3年2学期で内申点を大幅アップさせた生徒が私立志望に切り替えるようになることが予想されるので、私立高校進学希望者は更に増加傾向になるでしょう。

 

そもそも、中3の夏休みまで塾に入らず部活に打ち込んできた生徒にとっては、3年生3学期の内申で評価される公立高校より3年2学期の内申点で評価される私立高校の方が魅力的ですよね。

 

授業料のハードルがだいぶ下がったので、私立志望の生徒が増加するのは当然の流れに見えます。

 

 

 

 

それでは、私立高校に進学するメリット・デメリットって何でしょう?

 

【メリット】

① 設備を含めた環境面

高校3年間の半日を過ごす場所なので、環境が良いに越したことはないでしょう。

カリキュラムもここに含まれると思います。

 

② 大学進学実績

多くの私立高校で見るべきは、内部進学や指定校推薦の枠数だと思います。
(あるいは就職実績。)

 

中部大付属、中京大付属などは内部進学するメリットは大きいと思います。

特に 中部第一高校⇒中部大 のルートは大幅レベルアップになります。

 

聖霊高校や聖カピタニオ高校のようなカトリック系の女子高は縦横のつながりが強く、指定校推薦枠(上智や南山、SSK等の女子大やカトリック系大学)をたくさん持っていることがあります。

 

東海高校や滝高校のように一般入試に特化している学校もあります。

 

愛知高校、名古屋高校などは内部進学も出来ますが、一般入試や指定校推薦を選択する生徒の方が多いと聞きます。

 

偏差値65を超えてくる成績上位層の場合、大学受験を一般入試で受験する傾向が強いため、同レベルの公立高校に進学しても進学する大学は大差ないと思います。

 

 

③ 状況によっては、適切なレベルの高校に進学できる

授業態度や提出物に問題ある等の理由から実力に比して内申点が低い生徒にとっては、受験は不利になります。

偏差値の高い私立高校には、当日点のみで合格判定する高校や、合否判定時に内申点の比率が低い高校があります。

実力に比して内申点が低い上位層の生徒は、当日試験結果のみで合否を判定する私立高校を選択した方が本人のレベルにあった高校に進学できる可能性が高いと考えます。

 

 

④ 推薦で進学することにより、入試の心理的なストレスが少ない。

一部の上位の私立高校を除いて、推薦入試はほぼ100%合格できます。

生徒本人が受験のストレスに耐えられそうにない、もしくは保護者の方が受験のストレスに耐えられそうでない場合、私立高校進学を選択する場合があります。

 

 

 

【デメリット】

① 高校入学まで勉強しなくなる生徒がいる

特に男の子に多い話ですが、合格が決まったらそこからは勉強をしません。

ある程度は致し方のない話ではありますが、その時期が問題です。

私立推薦の場合、推薦が決まった12月上旬からモチベーションが下がる生徒がいます。

公立一般入試が3月上旬なので、3カ月ほど差があります。

入学までに【公立不合格⇒私立高校入学組】とは3カ月程度も受験勉強をする期間が違うため、かなり学力差が開きます。

ちなみに、高1最初の定期テストの結果がそのまま高校3年間の成績になることが多いと言われています。

 

少し話がそれてしまいますが、

公立高校を第一志望とした場合でも同じような状況が発生しえます。

公立志望の生徒でも定員割れする見込みの高校を第一志望とする場合、中3の最初から最後までそれほど勉強しない生徒がいます。

まぁ、これも大抵は男子生徒ですが。

しかも、周りを巻き込んで遊ぼうとするので結構迷惑な話です。

こんなわけで、昨今の状況だと公立志望の方がよく勉強するとは言い切れません。

定員割れする見込みの公立高校を選択することは極力避けましょう。

 

 

 

② 授業料を含む年間費用が高い

高所得のご家庭の場合、支援金が少なくなります。

また、支援金を満額受領してもそれより授業料がかなり高額な私立高校もあります。
(愛知県にあったかどうかは調べていません。)

あと、修学旅行に費用が掛かることが多いようです。
3泊4日の国内旅行で10万円を超えるとか、おそらく、公立高校の修学旅行ではありえないようなイベントが盛りだくさんなのでしょう。

まぁ、修学旅行に費用が掛かることがデメリットかと言うとそうでもなく、むしろ3年間の学校行事の目玉なんだと思います。

 

 

 

補足のはずが、メリット・デメリットを書いているのでむしろこの記事が本文ではないかと思いましたが、気にしない。