工業高校、商業高校等の専門学科に進学したら勉強しなくても就職できるのか?
『勉強なんて大っ嫌いだ!!』
『大学受験なんて御免だ!!』
という理由で、高校を卒業したら就職しようと考えている人も多いだろう。
2018年度の大学・短期大学進学率が57.9%。
残りの40%が就職、もしくは専門学校に進学する。
2017年のデータを見てみよう。
進路 | 割合 | 人数 |
大学・短大 | 54.8% | 583,526人 |
専門学校 | 16.3% | 173,567人 |
就職 | 17.8% | 189,539人 |
その他 | 11.1% | 118,196人 |
高卒の就職率98%が嘘だと分かるだろうか?
専門学校に行くのは『就職』も『大学進学』もしなかった生徒たちだ。
それが16.3%もいる。
大学受験に失敗した場合、浪人という手段がある。
だから、専門学校に行くのは大学受験に失敗した人ではない。
一部、大学受験を失敗して専門学校に通う人もいるだろう。
しかし、専門学校に行く大半は専門学科に進んで、就職しなかった人だ。
そう、高校を卒業して就職しなかった人たちは、手に職をつけるため専門学校に進学するのだ。
専門学科に進学する = 就職できる
ではない。
専門学科に進学した場合、成績上位者から優先的に進路が決まる。
高校にもよるが、大学進学か就職かの選択をする。
大学進学を選択する場合も、就職を選択する場合も、成績の良い人に選択権がある。
より下位の人は残ったものから選択していくことになる。
成績下位の生徒には、大学進学の選択肢は残っていないだろうし、一流企業就職の選択肢も残されてはいない。
というか、学校によっては就職の選択肢そのものが残っていない。
そのため、選択の余地なく専門学校に進学することになる。
専門学校は高校までと全く違う。
学校にもよるが、提出課題がしっかり決められており、授業中に寝ていたら提出が間に合わなくなる。
専門学校を頑張って卒業しても、高校で就職した同級生より2年も勉強しているのに、就職先に一流企業はない。
それが、中学校・高校と真面目に勉強に取り組んでこなかったことへの代償。
つまり、高校で専門学科に進学しても、勉強はしないといけないのだ。
高校で進学校に進学していた場合、高1・2年は遊んでも高3から勉強を頑張ったり、場合によっては浪人するという奥の手もある。
※この場合、推薦はもらえない。一般入試の一択になる。
しかし、専門学科に進学した場合、それは出来ない。
高校3年間の総合成績で進路が決まるからだ。
(ちなみに、進学校に進んだ場合も高校の偏差値が60以下なら半数近くが推薦で進学するので、3年間の成績順で進路が決まることが多い。
推薦で大学に進学する人の比率は、進学した先の学校で確認して下さい。)
周りの大人はあなたの進路を決めるのに誰もあなたの勉強に対する気持ちなんて聞いていない。
『あなたが将来、どうなりたいか?』
『そのためにどんな努力ができるの?』
を聞いている。
将来のための努力が出来ないなら、なりたい自分になれないだけだ。
『勉強が嫌い。』
とか、周りの大人は、正直、どうでもいいと思っている。
あなたの気持ちを推し量って、勉強(努力)しなくても就職できる道を用意してくれる人なんていない。
補足:
大学非受験組は、入学する高校のレベルを落として進学先の高校でトップクラスに君臨するのはあり。
当然、高校受験も高校進学後の勉強も本気でぶつかること前提だ。
上述の通り、高校の成績は就職に直結する。
トヨタ自動車やその他大手にに就職した場合、高卒でも生涯給与が世の中の大半の大卒より高い。
愛知県は、トヨタ自動車のほか、DENSO、アイシン精機、アイシンAW、豊田自動織機、三菱重工、三菱電機、日本製鉄等々と一流メーカがそろっている。
愛知総合工科(偏差値47)を他県の同レベルの工業高校と比較した場合、就職先は良い方だと言える。
就職先は地域性が強く反映されているように見える。
ただし、愛知総合工科で上位を維持するには中学時に偏差値55は欲しい。