5教科指導する塾は当然として、個別指導塾でも英数を受講する生徒がほとんど。
国語専門塾はあるけど、理科専門塾や社会専門塾は聞いたことがない。
何故なら、数学と英語は積み上げ型の学問だからです。
小学校で学んできた分数が出来ないと、中学校に上がってからさらに複雑な計算が分かりません。
疑問文が作れないと、疑問詞の疑問文が分かりません。
1学年前に習ったことを理解している前提で授業が進んでいくのが数学です。
一つ前の単元の内容を理解していることを前提に授業が進んでいくのが英語です。
数学や英語では一旦つまずくと、分からないことが雪だるま式に増えてしまいます。
なので、塾は生徒が途中で転ばないよう、常に目を見張っていることが塾の役目の一つです。
もう一つは、転んだところまで溯(さかのぼ)って現在地まで引き上げることも塾の役目ですね。
なので、季節講習では英語と数学の復習が重要になります。
一度勉強したところを、思い出してもらうことや、レベルを上げておくことが新しい単元の習得率に影響するのです。
じゃあ、ほかの教科、例えば国語は?
国語も小学校の内容が分からないと、やっぱり中学校でもついていくのは大変です。
それどころか、国語力は他の科目全てに影響します。
それはそうでしょう、教科書は全て日本語で書かれているのだから。
それでは何故、国語に力を入れている塾は少ないのか?
何故なら、国語(日本語)は日々、常に触れているので少し勉強時間を増やしたぐらいでは力が付きにくいからです。
集団塾の国語の授業だけでは国語力(特に読解力)をつけるのは難しいと思います。テストで点数は取れるかもしれませんが。
国語力を上げるためには、まずボキャブラリー(語彙力)が必要です。
文章中に知らない言葉が書かれていたら、その文章の意味が分からなくなるよね?
だから、漢字の勉強が最優先されます。
もし、中学生になって国語力(読解力)が足りないと感じるのであれば、国語専門塾を探すといいかもしれません。
読解力を鍛えてくれます。
私も国語の指導は研究していますが、国語専門塾には敵わないと自覚しています。
それゆえの国語専門塾だしね。
それでは理科と社会はどうでしょうか?
例えば中1の最初に習う歴史はどうでしょう?
原始時代の話ですね。
この知識が、次に必要になるのは中3の最後、受験のときです。
そこまでは必要になりません。
しかし、勉強しなくてもいいわけではありません。
定期テストで一生懸命勉強しておけば、受験勉強の際に非常に大きな力になります。
何故なら、覚えたことを中3までに全て忘れるわけではないのと新しいことを覚えるより、一度覚えたことを思い出す方が労力が少なくて済むので。
でも、中1の最初に覚えたことを中3まで維持しようとすると、割に合わない労力が必要になります。
当面テストに出てこないことを勉強するより、次のテストに出てくることを勉強した方がいいですよね?
だって、時間は有限なのだから。
なので、理社は『テスト前』に一生懸命勉強すればいいと考えています。
逆に言うと、時間の余裕がある生徒は理社も勉強するようにしよう。
教科書をたまに見返すぐらいでも、大分、違いが出てくると思います。
ちなみに『テスト前』って学校の授業で習ってからテスト当日までを指すからね。誤解なきよう。