大学って何をするところなの?

『なんで大学に行くのかわからない。』という声を聞きます。その参考になればいいかなと思います。

また、『どうやって大学を選べばいいか分からない』という方の参考になればよいなと思います。

古い話ですが、私の話になります。

以下に記述した内容については、現在も大きくは変わっていないと思います。

 

私が大学に入学してから、就職するまでの流れをポイントをかいつまんでお話しします。

理系の話になります。

(文系の就職活動は自己分析がもっと重要で、学業以外のところで何をしてきたかを問われると思います。)

 

私の場合は、大学で『工学部』の『電気電子及び電子情報工学科』という名前の学科に所属していました。

当時の私は浅はかで、『就職が良い』という噂だけを信じて、電気系の学科を選択しました。

 

入学後の3年間はひたすら勉強します。

多少、学習する内容が高度にはなりますが、『小学校・中学校・高校』と似たような感じで、体育の授業もありました。

小・中・高と違うところは、全ての授業で教室の移動が必要なところです。

次の授業の教室が、前の授業の教室(建物)から離れた教室(建物)の場合もあります。

授業が終わると直ちに学生全員が次の教室へと散らばって移動を開始します。

 

進学した学部や学科によって勉強する内容は違います。

勉強する内容は、他学科の学生と一緒に学ぶ共通科目特定の学科に所属する生徒しか受講できない専門科目の2つに分かれていています。

共通科目と専門科目がさらにそれぞれ必須科目選択科目に分かれていました。

共通科目の場合、数学、英語、第2外国語(私の場合はドイツ語)、体育等の必須科目と、心理学やドイツ文化、保健体育等の教養(選択科目)を受講します。
選択科目は様々な内容を勉強できました。

専門科目は、『電子回路』や『電磁気学』、『プログラミング』などの必須科目と、『制御工学』や『高専圧工学』のような選択科目を受講しました。

 

ここから、大学4年進級時に研究室に配属され、同時に所属が『電気工学科』、『電子工学科』、『電子情報工学科』へと分岐します。

真面目な生徒は、この時点で授業で取得できる単位は足りているので、研究に専念出来ました。

私は『電気工学科』に進学しました。

『電気工学科』を選択したわけではなく、私が所属した研究室が『電気工学科』に分類されていたので、結果的に『電気工学科』への進学という形になります。

『科』を選択するのではなく、『研究室』を選択します。

 

所属先の研究室は『機能電気材料』を研究していました。

具体的には
『有機EL』(テレビなどのディスプレイでの使用を想定した発光素子)
『低密度ポリエチレン』(送電ケーブルで使用される絶縁材料)
『アモルファス太陽電池材料』(太陽光発電用の発電素子)
の3種類の材料の研究です。

どの研究室に所属した場合も、研究テーマが複数あります。

その中から、研究テーマを一つを選択して大学4年の1年間研究します。

 

私は『低密度ポリエチレン』の研究に従事していました。

通常、自分ではどのように研究を進めればよいか分からないので、指導者(教授・助教授・助手)の指示に従って研究を進めていきます。

研究室には同じ材料の研究をしている先輩・同級生がいるので、内容が重複しないように研究を進めます。

 

 

多くの学生は大学4年で就職活動をします。

人によっては、就職せずに大学院に進学して更に研究を深堀りし、その後、就職活動をします。

私の場合、大学院に進学し、大学院2年の就職活動で、この研究室で獲得した知見を評価されて内定を頂き、高電圧機器の設計開発部門に配属されました。

 

私の場合、電気メーカの設計開発部門に配属されましたが、高電圧を扱う研究に携わる学生(同じ研究室の友人や先輩・後輩)は、初めから電力会社への就職を希望することが多かったです。

彼らは、計画的に単位を取得して『電気主任技術士1級』の試験免除の条件を達成し、電力会社で働くことへの熱意をアピールしていました。
 ※『電気主任技術者1級』は電力会社では取得を強く推奨される資格。合格率5%の難関資格。持ってると尊敬される。食いっぱぐれが無くなると言われる。持っていても給料はそんなに上がらないらしい。

 

これが、大学に進学して大学ですることと、大学に進学した意義です。

 

大学で勉強した内容が就職に直結する前提で進学先を考えた方が、迷いのない大学生活を送れると共に、就職活動も有利に運べる可能性が高まります。

 

私が希望通りに『有機EL』の研究に携わっていた場合、携帯電話やノートPC、あるいはテレビの設計開発部門に配属されていたかもしれません。

少なくとも、高電圧機器の設計開発には配属されない可能性が高いでしょう。

大学の研究とは全く関係ない部門に配属されていた可能性もあります。

ただしその場合も、電気工学に関係する部門には配属されたと思います。

 

そのため、大学を選択するにあたって考えるべきは、

① どんな仕事に就きたいか?
 (特に理系の場合、)就職後の配属先は進学した学部・学科で大枠が決まることが多い。研究内容が直結するような部門に配属される可能性も高い。
 『将来どのような形で社会貢献したいか?』という切り口で考えられるとなお良い。

② どんなことを勉強したいか?
 興味のない学部・学科を選択したばかりに、一生興味のない仕事に付きまとわれるような事態は避けたい。
 どんな職業に就くとしても、大学4年間は自分の納得のいく有意義な時間にしたい。

③ 目標とする大学のレベルは適切か?
 同じことを勉強できる大学は複数あるだろう。
進学先の大学のネームバリューは自分が積み上げてきた努力の証明になりうる。
例えば、東大でプログラミングを勉強したのと、ボーダーフリーの大学(いわゆるFラン大学)でプログラミングを勉強したのでは、世間の評価は全く異なるだろう。
また、大学(特に私立大学)によって受験科目や選抜方法も多岐にわたる。
 高校3年間しっかり勉強して推薦型の選抜を利用するか、高3の1年間に死ぬほど勉強して一般選抜で合格するか、自分を磨くにはどんな方法が一番よいかよく考えてどの大学のどんな選抜方法を選択すべきか考えよう。
 社会人になってから、『あの時、もっと頑張ればよかった』と後悔しないように。

 高3になってから推薦型の選抜を選択することは難しいので、指定校推薦でも一般選抜でも勝負できるように、1年生の初めから継続的に勉強することが一番大事だと思います。

 

 

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