【職業】農業はいかに?

将来、農業をしたいと言う生徒がいたので、どんな職業か調べました。
ちなみに親子喧嘩で勢いから農業をしたいと言っただけで、本気ではなかったようです。

 

農業を志すべきでないとは言いません。

しかし、一般的には明確な動機がないと中学生から農業は目指しません。

例えば、実家が農家であるとか、農作物の品種改良に関心がある等です。

農家を目指せば勉強しなくてもよいという甘い考えなら、やめた方がよいです。

 

私事なのですが、脱サラ時に農業を始めることも選択肢にありました。

しかし、農家で生計を立てることは想像以上にハードルが高く、新しく就く職業の選択肢から外しました。

生徒に安易な考えで農業を志すのは止めて欲しいと思っています。

 

個別指導塾を営んでいると、勉強が得意ではなく、それ故、進学校には進学したくないと言う生徒が常に一定の割合でいます。

自分が好きな領域、得意な領域で生計を立てた方が何かあった時に納得がいくので、勉強が得意でないなら無理に進学校に進む必要はなと思います。

それでも、勉強したくないから農家を選択すると言うのは間違っていると思います。

 

農家の方を対象としたアンケートを見つけたので、そこから就職先としての農業について考えてみましょう。

農業の場合、親元就農者と新規参入者で分けてアンケートが取られるようです。

それだけ、参入時の条件が異なると言うことでしょう。

 

親元就農者の場合でも、農業高校や大学で農学を学んでいる人は多くはないようです(20~25%程度)。

親元就農者のほとんどの方(80%程度)は、一度は農業以外の職業に従事してから、親元に戻って就農されるようです。

新規参入者の場合、農学を学んできた人は更に少なく、10~15%程度のようです。

 

彼らは、なぜ農業を志したのでしょうか?

理由がこちらです。

前向きな理由が多く、夢がありますね。

 

さて、現実を見てみましょう。

農業所得だけで生計が成り立つまでの年数

1・2年目 14.6%

3・4年目 24.9%

5年目以降 48.1%

 

経営面と生活面の問題・課題(新規参入者)

所得が少ない 55.9%

就農年数別に分けても

1・2年目 54.6
3・4年目 59.6
5年目以上 56.2

と、ずっと所得が少ないと感じる状況が続くようです。

それでも、脱サラして個人事業主、あるいは法人として50%程度が食べていけるのは、それほど悪くない数字かもしれませんが。

 

生活面での問題・課題(新規参入者)

思うように休暇がとれない 46.0%
健康上の不安(労働がきつい) 40.3%

脱サラすればブラック企業真っ青な労働環境になることは珍しくもないので、このアンケート結果は当たり前といえば当たり前ですね。

就業時間だけを見るとサラリーマンの方が楽そうです。

ただ、農業の方が人間関係のわずらわしさは減ることが多いだろうとは思います。

アンケートを見ると、近隣との付き合いが煩わしいと感じている人もいくらかいるようで、人間関係については地域性もあるようです。

想像と違って、販路拡大のための営業活動が必須の職業なので、対人スキルはあった方がよい職業です。

 

注:販路拡大について説明。
農作物を作っても購入してくれる人がいないと収入にならない。
なので、定期的に購入してもらえるよう、自ら売り込みに行って、契約を結んで貰う一連の活動のことを販路拡大といいます。

 

参考:全国農業会議所(平成28年度調査)