【高校入試】私立が良いか?公立が良いか?(4)補足2

私立高校へ進学を考える場合、大学進学までの道筋を考えないといけないよね?という趣旨のことを書いたので、それについて補足します。

 

授業料の高い私立大学には行かせられないというご家庭も多いと思います。

しかし、国公立大学の方が授業料が安い分、人気します。

 

おそらくその結果、国公立大学はレベルが高くなっています。

国公立大学の定員数は大学入試全体の2割強程度、私立大学の定員数は8割弱程度。

大学進学率が50~60%であることを考慮すると、同世代の10%強程度の人数が国公立大学に進学する計算です。

中学時代の偏差値62程度以上の生徒が国公立大学に進学する計算になります。
(中学時の偏差値62=上位11.5%以上に相当)

実際には難関私立大学に進学する学生もいるので条件はもう少し緩く、同世代の上位15%ライン程度にいれば勝負が出来そうです。
中学時の偏差値60=上位15.9%以上に相当)

国公立大学を狙えるかどうかも考慮して決めましょう。

 

 

【大学の偏差値について】

一番正確なのは、高校入学後に模擬試験を受講して自分の実力を把握することです。

大学進学者は全体の55%ほどなので、中学校までの偏差値は大学の偏差値との比較の参考になりません。

 

単純計算で、中学時代の偏差値57程度(上位27%相当)が大学受験者の平均=偏差値50程度に相当します。

 

また、模試によって受験者層が異なるため、大学のボーダーライン(偏差値)も模試によって異なります。

自分が受験した模試の主催者と異なる主催者が発表する大学偏差値は参考になりません。

国公立理系、国公立文系、私立理系、私立文系の4つのカテゴリ-に分けて偏差値を考える必要があります。

 

私立理系大学:偏差値60の合格判定がAだったとしても、国公立理系大学:偏差値60の合格判定もAになるとは限りません。

 

 

 

以下、頭の中を整理しただけで、あまり有用な情報はありません。

スルー推奨。

 

 

 

一般的に言われているのは、同じ偏差値の大学・学部であれば難易度は

① 国公立大学 > 私立大学

② 理系 > 文系

と言われています。

 

私立文系のレベルが低いと言いたい意図はありません。

また、前提として同一の主催者が発表する大学・学部を比較した場合の話です。

 

 

① 国公立大学 > 私立大学

通常、国公立大学の方が受験科目が多いです。

Aさん国立大学Xを受験しました。
その時の偏差値が下記としましょう。

外国語 65
数学IA 68
数学IIB 67
国語 60
地歴・公民 60
物理 70
化学 65

総合偏差値65

 

そのAさんが私立大学Yを受験した場合、

外国語 65
数学IA+IIB 67.5
物理 70

総合偏差値 67.5

 

受験科目が絞られたため、偏差値だけを見ると私立大学Yを受験した場合の方が高く見えます。

 

 

加えてBさんがいたとして

外国語 65
数学IA 68
数学IIB 70
国語 45
地歴・公民 40
物理 70
化学 55

偏差値 59

Aさんより偏差値が6程度低いです

 

そのBさん私立大学Yを受験した場合、

外国語 65
数学IA+IIB 69
物理 70

偏差値 68

今度はAさんに勝ってしまいました。

 

最初から私立大学Yに絞って大学受験に臨む場合、学習すべき科目が絞られるため特定の科目の偏差値が高く出やすくなります。

Bさんは総合的な学力ではAさんに敵わないかもしれませんが、私立大学YについてはAさんより合格する可能性は高くなります。

 

私立大学は教科を絞った得意科目での勝負になりやすいため、偏差値は高めに出ます。

 

Aさんが平均的な国立X大学の受験者、Bさんが平均的な私立Y大学の受験者だとして、国立X大学(偏差値65)と私立Y大学(偏差値68)のどちらが難易度高いかと言われると、国立X大学の方が難易度が高いと答える人が多いと思います。

そのため、同じ偏差値であるなら国公立大学の方がレベルが高いと言われるようです。

 

 

② 理系 > 文系

通常、受験科目で理系と文系に分かれます。

よく言われるのは、理数系科目が苦手であることを理由に文系を選択する人がたくさんいるという話です。

そのため低位層の生徒が文系に偏っており、文系科目の平均点を引き下げているそうです。

 

結果、文系科目の方が偏差値が高く出やすく、同じ偏差値なら理系の方がレベルが上と言われます。

 

もう一つは、医学部の受験科目が理系と同じためです。

文理関係なく、超上位層の生徒が医学部(理系)に固まっていると考えられます。

医学部は理系科目が受験科目の中心に添えられているため、理系科目の平均点が引き上げられます。
(医学部の2次試験は英数理が必須。国語は大学による。社会はない。)

結果、理系科目の偏差値が低く抑えられやすい状況となっています。

 

つまり、理系科目には上位層が集まりやすく平均点が引き上げられ、文系科目には下位層が集まりやすく平均点が引き下げられます。

結果、理系科目の方が偏差値が低く抑えられやく、文系科目の方が偏差値が高くなりやすいと言われています。

 

 

 

 

こういった事情から、ホームページによっては東大より早稲田・慶応の方が偏差値が高く表示されたり、東大(文Ⅰ)が東大(理Ⅲ)より偏差値が高く表示されたりしているようです。

要は偏差値を計算する際、母集団を『国公立理系』、『国公立文系』、『私立理系』、『私立文系』の大きく4つに分けているため、カテゴリーの異なる2つの大学・学部を偏差値だけ比較しても正確なレベルは分からないです。