勉強効率を考えるうえで、真っ先に見つかるもの。
【エビングハウスの忘却曲線】です。
「【エビングハウスの忘却曲線】について、説明が間違っているHPを多数見かける」という話を耳にしました。
たしかにWikipediaを読む限りでは、エビングハウスの忘却曲線を正しく説明しているHPは少ないように思います。
なぜ、間違った説明がそんなに広がったのでしょうか?
おそらく、勉強は復習をしないと身につかないということを、分かりやすく説明したいからです。
本来、【エビングハウスの忘却曲線】が示唆するのは、勉強してから時間がたつほど、復習に必要な労力が大きくなることです。
実は、「早めに復習することが大切だ」と言っているのであって、「復習が大切だ」とは言ってないんですよね。
このページに貼ってある【エビングハウスの忘却曲線】も厳密には縦軸の意味が間違っています。
でも、この方が分かりやすいので、このままでいいかなと思います。
復習が重要であることは自明なので。
さて、エビングハウスが検証したことは非常に大事です。
誰もが経験的に知っている4つのことを、実験で実証しました。
エビングハウスが記憶実験で初めて実証した記憶に関する法則
第1の法則 学習が終わった直後に忘却が急速に起こり、時間の経過とともに忘却する割合が減少する
第2の法則 無意味な記憶材料は意味のある記憶材料より覚えるのが難しい
第3の法則 記憶する量が多くなればなるほど記憶することが困難になる
第4の法則 疲労が蓄積されるにしたがって記憶することが難しくなる
第1の法則 学習が終わった直後に忘却が急速に起こり、時間の経過とともに忘却する割合が減少する
エビングハウスの忘却曲線として一番よく知られる現象ですね。
自分の想像以上に人の記憶力が当てにならないことを教えてくれます。
第2の法則 無意味な記憶材料は意味のある記憶材料より覚えるのが難しい
脳の海馬という場所で、生命維持に必要な情報かどうか判断し、必要であれば優先的に記憶されるそうです。
繰り返し同じ情報が入力された場合も、重要な情報と判断されて記憶されます。
第3の法則 記憶する量が多くなればなるほど記憶することが困難になる
3時間勉強するとして、1日で3時間勉強するより、1時間を3日に分けた方が記憶は定着しやすいです。
第4の法則 疲労が蓄積されるにしたがって記憶することが難しくなる。
「疲れたから勉強したくない。」と言い出す生徒が発生しそうな法則ですね。
勉強嫌いな生徒にはこの法則は教えたくないなぁ。
疲れたら勉強しない方がいいと言っているわけではないので注意。
疲れると学習効率が悪くなると言っているだけです。
受験勉強では、翌日にまで疲労を残さない範囲内で、ギリギリまで努力した方が、後悔せずに済みます。
さて、誰でも経験的に知っている4つのことを最初に実験で実証したのがエビングハウスです。
次回、エビングハウスが初めて発見したことを紹介しますね。