先日、面談で『成績が上がる生徒と上がらない生徒を判断できますか?』という御質問を頂いた。
その時の私の回答は、
『上がると思っていた生徒の成績が上がらなくて、上がらないと思っていた生徒が上がることがよくあります。』
というニュアンスのものでした。
成績の上がる生徒の特長は例えば、
・計算が早い
⇒ 数学の成績が上がりやすい
・国語の成績が良い
⇒ 全ての教科の点数を大きく上げることがある。
(国語以外の教科は【国語の点数+20点】ぐらいまでは上がりうるので。)
・やる気がある(本人が本気で成績を上げたいと思っている。)
⇒ おそらく一番大きなファクター。これがないと成績は上がらない。
・勉強量をこなしている
⇒ 高校生の場合はシンプルにこの要素だけ。
やる気がそのまま勉強量に表れるので。
逆に成績の上がらない生徒の特長は例えば
・学校のワークの答えだけを丸暗記
⇒ テストで問題が解けない
対策:ワークが完璧になったところで他の問題集/プリントを解いてもらって確認。
・英語を和訳しない
⇒ 普段の英語の勉強が、パズルゲームの様相を呈している。中1の1学期でついて行けなくなっていることが多い。
対策:和訳するように声掛け。不意打ちで和訳できているか確認。
・英単語を覚えない
⇒ 受験で英文章を和訳できず。定期テストも点数が上がってこない。むしろジリジリと点数が下がってくる。
対策:塾で英単語を暗記する時間を作る。
・数学の解き方丸暗記
⇒ 応用問題が手も足も出ず。
(中学の定期テストまではこれでそこそこ点数が取れてしまうのが難点。高校受験勉強からボロが出始める)
対策:解説時には原理を説明する。理屈を理解するように指導する。
・漢字が出来ない
⇒ 国語が苦手なことが多いので、全教科に悪影響
対策:国語のテストでは漢字は満点を取ってくるよう声掛け。受験勉強では漢字の暗記をやらせる。
・間違えた問題を解き直さない。復習しない。宿題しない。見直さない。
⇒ 塾の勉強が全て台無し。
対策:当塾ではAIタブレットが生徒に解き直しと見直しをさせている状況。
AIタブレットの導入前も、ここは徹底。解けない問題を解けるようにするのが『勉強』。
・講師が見ていないところでサボっている。
⇒ 言わずもがな。
対策:サボれない環境で勉強して貰うことを提案。それでもサボるなら退会。
成績が上がらない生徒の特長は、大抵は対策が取れます。
成績が上がりやすい生徒の特長を短期間で身に着けてもらうことは難しいです。
では、最終的に何が成績に影響するかというと、上述した通り『やる気の有無』。
これが、生徒と話をしていても分かりにくい。やる気があるのか無いのか。
やる気が無いのに、『ある』と答える生徒。
恰好をつけて(?)、自分の中では燃えているくせに、やる気がないような態度を見せる生徒。
なので、私の予想はよく外れます。
(正確には、5教科40点程度の上げ幅の生徒と、100点以上の上げ幅の生徒の予測ですけどね。
100点以上行くと思っていたら、50点止まりだったとか、『10点でいいから上がってくれ!』願っていたら、130点アップだったりとか。)
蛇足となりますが、『成績が上がるかどうか、見分けが付く』という講師を見かけたら気を付けた方が良いかもしれない。
『ピグマリオン効果』と『ゴーレム効果』というものがある。
これは、指導者が期待する生徒の成績は上がりやすく(ピグマリオン効果)、指導者が期待していない生徒の成績は上がりにくい(ゴーレム効果)というもの。
指導者に期待されている生徒は期待に応えようと努力し、期待されていない生徒は努力しようとしないために発生する効果です。
つまり、
『その生徒の成績が上がるかどうか、見分けが付く』 = 『その先生は生徒を選り好みしている可能性が高い』
です。